保通協が意図的に選択可能な「17,500G」
2019年5月8日、某SNSにて業界関係者が「保安通信協会(通称・保通協)による回胴式遊技(パチスロ)機の型式試験」に関する興味深い指摘を行っていましたのでご紹介致します。要旨は以下の通り。
業界関係者による保通協試験への指摘
・型式試験の適合率が非常に低い現状にある
各社、所謂”ギリギリを攻め”ている事が大きな原因
他方、適合を狙い易い仕様(スペック)は魅力に乏しい機械となり易い
・長時間出玉率試験(17,500G)の存在が肝
不適合の多さを受け、メーカー側は試験状況を記録可能な仕様に変更
結果、不適合となる数値が出るまで試験を繰り返し、当該の17,500Gを材料に不適合とした事案を発見
規則上、試験内の「いずれかの17,500G部分」で判定しても問題無い為、本件は不正だとは言えない
・国家公安委員会を後ろ盾とする保通協にメーカー(又はホール)が強く出られないのが現状
まず、昨今の保通協適合率の低さは多くの関係者およびエンドユーザーが既知のところでしょう。念の為、保通協試験適合率推移をまとめた記事を挙げておきますので、ご確認頂ければと思います。
現在、パチンコパチスロ業界(特にパチンコパチスロホール)は苦境に立たされています。2021年1月末を期限とする6号機移行とそれに準ずるみなし機の前倒し撤去への対応、更に決定事項である「管理遊技機(ECO遊技機およびメダルレス・封入式)への移行」を睨み、着々と入替等の対応を行っていかなければ到底対応しきれる波ではありません。そういった現況下で新たに発売・供給される新台が少ないという大問題を引き起こしている原因の主たるものこそが本件「低水準の保通協適合率」と言えるでしょう。
保通協側がどの程度・どのような理由で意図的に不適合にさせしめているのかの情報は有りませんが、上記のような苦境下で大元である新規則対応の遊技機供給が不十分である状況が続くと、業界全体の方向性が非常に暗いものとなることは想像に難くありません。